No,315 鈴鹿北部縦走トライアル
 藤原岳、竜ヶ岳、釈迦ヶ岳

 

2002年3月9日〜3月10日 一泊二日 テント泊
メンバー RIN、Y、DOPPO   
行程 西藤原駅〜藤原岳〜治田峠〜銚子岳分岐〜静ヶ岳分岐(幕営)
〜竜ヶ岳〜石榑峠〜三池岳分岐〜八風峠〜釈迦ヶ岳〜猫岳〜ハト峰〜朝明茶谷駐車場
天候 快晴

タイム
(1日目)
西藤原駅発(8:00)〜八合目分岐(9:50〜10:00)〜藤原岳避難小屋(10:40〜11:00)藤原岳山頂(11:20〜11:30)
〜蛇谷分岐(12:50)〜治田峠(13:20〜13:30)〜銚子岳分岐(14:35)〜静ヶ岳分岐の幕営地着(15:20)
(2日目)
静ヶ岳分岐の幕営地発(6:00)〜竜ヶ岳(6:55〜7:00)〜石榑峠(7:50〜8:00)〜三池岳分岐(10:06)〜八風峠(10:25〜10:45)
〜釈迦ヶ岳(12:30〜12:35)〜猫岳(13:15)〜ハト峰(14:00〜14:10)〜朝明小屋駐車場ゴール(15:02)


鈴鹿北部縦走トライアル
    (国際山岳年記念・鈴鹿北部(藤原岳〜釈迦ヶ岳)山岳縦走トライアル・2002大会=三重岳連主催)

(3月9日)
出発が早いため前夜RINさん宅に泊めてもらい、4時半起床。不足の食料を買い足して下山地点の
朝明渓谷までRINさんの車で向かう。
本部役員の方々はここの山小屋で前夜から宿泊されていたようだ。車をデポし、ここから出発地点の
西藤原駅前まではRINさんの友人に送ってもらう。RINさんは顔が広く、こんなときにはいつもお互いにサポートをしている様だ。

7時登山口の西藤原駅前は参加各チームの精鋭達が集まってくる。開会式が始まりメンバーの発表がある。社会人チーム8、高校生チーム2、計10チームの参加。殆どが男性、何故か我が鈴鹿山岳会チーム3名の内、男性は大阪から特別参加の私だけなのである。完走を目標とし、最後尾を”マイペースで歩こう”とチームの結束をし、
大貝戸からの登山道に向けて出発(8時)。

一片の雲ない快晴の空のもと、気温もぐんぐんあがってくる。早くも額からは汗が噴出してきて、三合目で上着を取る。ひたすら足元を見つめ急斜面を歩く。下から眺めていた
藤原岳は容易い様にも見受けていたものの、いっこうに頂上は近づいてはくれなかった。8合目に到着。
ここには他の登山者が休憩している。我々も小休止。
この辺りまで来ると雪も結構付いている。足元を確認しながら
避難小屋を目指す。左側に明るい斜面が開け雪が取れた木の根元に福寿草を見つけた。まだホンの少ししか見れないが雪が取れる頃には一斉に咲くのだろう。先頭のYさんの足取りが重くなってきた。「あと少しで避難小屋だな〜」なんて話していると右上に審査員の方が何やらチェックをしていた。この胸突き八丁でチェックとは・・・・顔色を見ながらの体力チェックなのだろうか?・・・・・ああしんど。

  

避難小屋で早めの昼食をとり山頂へ。
なだらかな斜面は深い雪がまだまだ残っていて、硬く固まっていて歩きやすいものの重いザックが冬道の直登には堪える。みんなの足取りが重い。
展望丘の山頂は先に到着したチームが昼食をしていた。素晴らしい展望だ。北には御池岳が目の前に、伊吹山の後ろには白山が浮かんでいる。大きな御岳の左には北アルプス、右には中央、南アルプスが遥か遠くに真っ白に光って見えた。



ここからの下りが曲者だ、去年もそうだったようにドロンコの急坂、前を行くS高校山岳チームも、RINさんも、Yさんも滑ってしまった。僕はふんばりの効かない左ひざを案じ、木にしがみ付きながら下る。

チェックポイントの
治田峠に着く。ポイント地の運営委員の方に一杯のビールを頂く。「おお〜〜美味い」喉にしみ渡る、まさかここでビールに有り付けるとは思いもしなかった。これで元気百倍だ。

いくつか小さなピークを踏み、目の前に
銚子岳が立ちはだかる。全員スピードが落ちてきた。先頭のYさんの足は思うように上がらず、「大丈夫か」の声をかけるが、「大丈夫です」っと返事。Yさんは気迫だけで持ちこたえているようだ。山頂は踏まず分岐で左に折れ、また下降。既に先頭の東芝山岳会チームはテントを設営している事だろう。
16時までに
静ヶ岳テント場までに到着しなければ失格なのであるが、時間には余裕があったのでマイペースで進む。

15時20分
静ヶ岳分岐の幕営地着。
先に到着のチームから拍手で歓迎を受ける。今日の初日コースは比較的楽かもしれないと思っていたが、結構厳しかった。リーダーのRINさんの掛け声のもと真っ先にテント設営。これもチームワークや設営基礎技術のポイントとして、採点されるらしいのだ。本部役員さんの話によると、1チームはリタイア、もう1チームは急用による1名下山ということで棄権、結局我々のチームが最後尾だったとのこと。設営後キュ〜っと飲むビールが喉にしみわたりとても幸せな気分。



まだ青い空には太陽が射しているが、雪の上は冷たい。鍋にすくった雪を溶かし、テントの中で夕食の準備。やっとくつろげるひと時が来た。
RINさん持参のウィスキーを片手に食事済ませ、暗く成りかけた18時より参加者と運営委員が雪のテーブルに集まり、懇親会が始まる。星が輝き初めた頃、普段静かな森の中も随分盛り上がってきた。私も下手な歌を歌ってしまったのである。


(3月10日)
4時半起床。全員6時に体調確認の後出発。
昨日に比べて快晴ではあるが風が強く、見通しも良くない。今日も最後尾をマイペースで歩こう、長い道のりを競っていては我がチームはバテてしまうだろう。

朝の
竜ヶ岳を目指し黙々と歩く。雪の登山道は凍っている、滑落すれば体力は消耗するだろう。山頂目前の斜面でペースを落とし確実に登りきれた。横着してアイゼンをつけなかったのだから反省すべきところ。
風の強い
竜ヶ岳山頂で記念撮影。

  

ながいは無用と、スタスタと下山へ。400メートルの嫌な急降下である。

チェックポイントの
石榑峠にて休憩。先に着いたS高校山岳チームに追いついた。ここから三池岳までは藪の多い長〜い道のりなのでゆっくり行きます。S高校山岳チームとは前後しながら歩く。Yさんは昨日の足の運びより随分調子もよく、順調に進んでいる。いくつかのピークを超え三池岳の分岐に着く。次に目指す釈迦ヶ岳は雄大に遠く聳え立って見える。



目の前の
三池岳を横目に八風峠へ。S高校山岳チームは三池岳頂上を踏みに行ったのだろう。しかし戻ってこない。後から追いついた運営委員に報告する。コースを外してしまったようだ。チェックポイントの八風峠にてS高校山岳OBチームに合流する。此処に居た運営委員やOBチームにも詳しく報告をする。

少し早い昼食を済ませ我がチームは
釈迦ヶ岳を目指す。運営委員の方達が無線で慌しく連絡をとりだした。捜索が開始されS高校OBチームも捜索に加わった。Yさんの無線で捜索隊の逐次のやりとりを聞きながらの籔こぎで、中年オバサンの黄色い声がこだまするチェックポイントの釈迦ヶ岳に到着。この山を踏むことで、私自身は密かに今回のもうひとつの目標であった鈴鹿セブンマウンテンを達成する事ができた。

賑やかな中年オバサンの声を尻目に、またまたスタスタと次なる山、
猫岳を目指す。猫岳を下ったところでS高校チームが無事見つかった旨、Yさんの無線が捕えた。3時間ばかりの出来事であったが、気になっていた事が解決してひと安心したところでM高校ワンゲルチームに追いつく。初日二番目に速かったチームがどうしたのだろうか?
聞いててみると、引率の先生の足が故障したのだという。生徒達は、やはり残念そうな顔をしていた。

結局ゴールの
朝明茶屋の駐車場に着いた我がチームは5番目に到着したのである。ひたすらマイペースで無理をせず頑張ったことが功を奏し、アクシデントもなく完歩出来たのだろう。



山に向かい合う心得を習得したような気がした、良い機会に良い経験をさせてもらった。チームワークの重要さも経験した。
参加させてもらった感謝の気持ちでいっぱいである。RINさんや大会運営をされた三重県山岳連盟の皆様に御礼を申し上げます。

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